養魚用などの固形飼料のエネルギーを高めるには、澱粉の量を減らし油脂分を増加させれば簡単に解決することができます。しかし、固形化前に多量の油脂を添加して造粉すると様々な不都合が生じ、また、固形化後に油脂をコーティングすると、固形飼料の表面積と油脂の量が品質に大きな影響を与えることとなります。油脂分を多くすることによって、べたつきが発生しケーシングに付着、油脂の酸化のため品質劣化が起こるのです。このため、固形飼料の比表面積と油脂量が関係を考慮し、固形飼料の比表面積が大きくなるよう、多孔質の固形飼料を造粒して、油脂を添加させる技術が開発されました。しかし、比表面積の大きい多孔質の固形飼料に油脂が添加しても、油脂の粘性により固形飼料の内部まで油脂が含浸することは不可能となります。
そこで添加の際、周りの圧力を下げ、比表面積に接触している空気を外に追い出し、飼料の表面に油脂をコーティングした後、再び圧力を戻すと固形飼料内部圧力と外部圧力の差により油脂が内部に吸い込まれ、より大量の油脂を添加することが可能となります。しかしながら、比表面積の量と減圧する絶対圧力、油脂の粘度と量、コーティング状態、大気圧に戻す時間によっては品質が統一されません。
よりよい製品を造るために、比表面積についてはマシンの選択と運転状況、減圧については真空ポンプの減圧量と油脂の添加量など、さまざまな運転ノウハウが必要となってきます。また、コーティングについては表面積と油脂の量、混合の均一性、粉化防止の技術的な間題が提起されます。
OMCの振子式減圧油脂含浸装置(デコムコーター)では、これまでのさまざまな技術上の間題を解決。従来の装置ではなし得なかった、高品質な固形飼料を造り出していきます。
1バタフライバルブによってエアーのリークを防ぎ、より効果的な減圧を可能にします。 |
4内部混合機構と回転機構がないので、所要動力はわずかです。 |
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2内部に混合機構がないため、エアーリークがありません。(特許申請中) |
5外部回転による振り子運動(揺動運動)が粉化を防ぎます。(特許申請中) |
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3外部回転による振り子運動(揺動運動)が製品を均一にコーティングしますので、本機一台で油脂の少量添加から大量添加を可能にします。(特許申請中) |
粒子径16mm | 14mm | 9mm | 6mm |
投入完了 | 正転油脂添加 | 逆転油脂添加 | 排出 |
常圧(投入) | 減圧(脱気・脱水) | 定圧(油脂添加) | 戻圧(油脂含浸) | 常圧(含浸完了排出) |
型式 | C-200/CS-200 | C-400/CS-400 | C-700/CS-700 |
能力 | 200kg/B | 400kg/B | 700kg/B |
寸法 | 2060×1410×H2370 | 2500×2400×H2500 | 3000×2500×H3200 |
添加率 | 3%〜30% (重量割合) | ||
所要動力 | 2.2kW | 3.7kW | |
1バッチ | 約6分 | ||
用途 | 家畜・ペット・養魚用固形肥料の油脂添加 |